「新宮CoCoスクエアみたいなこと、真似してもいいんですか?」
そんなことを聞かれました。
もちろんです。
どんどん真似してください。
というか、真似してもらわないと困ります(笑)
だって、私一人では新宮だけで手一杯ですもん。
新宮CoCoスクエアを始めて2年。
レンタルボックスがあって、コワーキングスペースがあって、地域通貨CoCoコインがあって、店長制度があって、イベントがあって、ラジオがあって。
最近では「今日の一箱」のような、新しい箱との出会いをつくる仕組みも始めました。
こうやっていろいろやっていると、
「この仕組みをパッケージにして、フランチャイズにしたらいいんじゃないですか?」
と言われることもあります。
でも、今のところそのつもりはありません。
なぜなら、新宮CoCoスクエアと全く同じものを、別の場所につくることはできないと思っているからです。
いや、正確に言えば、同じ形で始めることはできるかもしれません。
でも、たぶんすぐに違うものになっていきます。
そして私は、
違うものになったほうがいい
と思っています。
同じ福岡県の中でも、博多や天神のような中心部と、新宮ではまったく違います。
新宮と糸島でも違う。
春日とも違う。
太宰府とも違う。
もっと言えば、新宮から比較的近い古賀、福津、宗像だって、それぞれ違います。
地図だけ見れば近い。
車で少し走れば着く距離です。
でも、そこに住んでいる人も違えば、働いている人も違う。
町の歴史も違う。
人の流れも違う。
商売のあり方も違う。
地域の人同士の距離感だって違います。
だったら、新宮でうまくいった仕組みを、そのまま持っていけばうまくいく、なんてことはないと思うんです。
ここは結構大事なところです。
新宮CoCoスクエアも、最初から今の形を全部考えて始めたわけではありません。
完璧な設計図があって、
「2年後にはこういう場所になります」
と決めてつくったわけではないんです。
人が集まってきた。
「こんなことをやってみたい」
という人が現れた。
じゃあ、やってみよう。
また別の人が、
「こんなのがあったら面白いよね」
と言った。
じゃあ、それもやってみよう。
そんなことを繰り返しながら、少しずつ今の新宮CoCoスクエアになってきました。
だから、新宮CoCoスクエアをつくったのは私だけではありません。
私は、そう思っています。
例えば、糸島で誰かが新宮CoCoスクエアを参考にして、似たような場所を始めたとします。
レンタルボックスがある。
コワーキングスペースがある。
店長制度を取り入れる。
最初は似ているかもしれません。
でも、そこに集まる人は違います。
農業をしている人が多いかもしれない。
移住してきた人が多いかもしれない。
クリエイターが集まるかもしれない。
子育て中の人が中心になるかもしれない。
そうしたら、半年後、1年後には、新宮CoCoスクエアとは全然違う場所になっているはずです。
それでいい。
むしろ、
それがいい。
もちろん商売ですから、
「真似されたくない」
という考え方もあります。
特許を取ったり、ノウハウを守ったり、ブランドを守ったりすることも大切です。
でも、新宮CoCoスクエアでやっていることの多くは、
地域の人たちがつながったり、
誰かの「やってみたい」が一歩前に進んだり、
小さな商売やチャレンジが生まれたりするための仕組みです。
だったら、
「これは新宮だけのものです」
と囲い込むよりも、
と思っています。
新宮でやってみて、
「これはよかったですよ」
というものがあれば、真似してください。
逆に、
「これは大変でしたよ」
という失敗も聞いてください(笑)
成功だけではなく、失敗も含めて持っていって、その地域に合うように変えてもらえばいい。
全国に同じ看板の「CoCoスクエア」が100店舗できる。
私は、それを目指しているわけではありません。
名前だって違っていい。
仕組みだって違っていい。
料金も違っていい。
運営方法も違っていい。
新宮には新宮の形がある。
古賀には古賀の形がある。
福津には福津の形がある。
宗像には宗像の形がある。
糸島には糸島の形がある。
春日には春日の形がある。
太宰府には太宰府の形がある。
そして、その場所に集まった人たちによって、また少しずつ形が変わっていく。
そんな場所が、それぞれの地域にできたら面白いと思うんです。
ここまで、
「どんどん真似してください」
と書いてきましたが、
「考え方は真似できても、システムまで自分たちではつくれません」
という方もいるかもしれません。
そこは、ご安心ください(笑)
新宮CoCoスクエアで使っているCoCoレジは、必要であれば他の地域や施設でも使っていただくことができます。
もちろん、そこは有料です(笑)
でも、それも全部セットで導入してください、ということではありません。
レンタルボックスの考え方だけ真似してもいい。
店長制度だけ取り入れてもいい。
地域通貨の考え方を参考にしてもいい。
必要ならCoCoレジだけ使ってもいい。
使えるところだけ使って、その地域に合う形に変えていく。
新宮で生まれた仕組みやシステムが、そのための道具になればいいと思っています。
だから、
「本当に真似していいんですか?」
と聞かれたら、
はい。
どんどん真似してください。
そして、できれば途中から真似するのをやめてください(笑)
新宮CoCoスクエアを入口にして、
「うちの地域だったら、こうしたほうが面白いよね」
と変えていってほしい。
そのうち、
「新宮では、そんなことやってないですよ」
と私が驚くようなことを始めてほしい。
そして今度は、私たちがそれを真似する。
新宮がどこかの地域のアイデアを真似して、
その地域がまた別の地域のアイデアを真似する。
そうやって、お互いに真似しながら、それぞれ違うものになっていく。
新宮CoCoスクエアが、その一つのきっかけになれたら、それで十分なんです。